はじめに

3.反省・総括に基づく活動

【3】アレフ(Aleph)に対する要請――賠償契約の締結を


(1)Alephに早期契約締結を求めること

 最近の報道の通り、ひかりの輪は、オウム真理教犯罪被害者支援機構との間で被害者賠償契約を締結していますが、Alephは現在、オウム真理教犯罪被害者支援機構との間の賠償契約締結を事実上拒否しています。当団体は、この状況を憂慮し、Alephに対して契約の早期締結をこの場を借りて要求したいと思います。

(2)当団体が被害者支援機構に協力させていただいたこと

 被害者支援機構は、Aleph が賠償契約締結を事実上拒否していることに困惑しています。そこで、当団体は、Alephが賠償契約締結を拒否している真意や、誰がその意思決定をしていると思われるか等について、同機構から情報提供を求められましたので、それにご協力し、さらに、今後の継続的なご協力もお約束しました。

(3)Alephが賠償契約を拒否した経緯の問題について

 Alephの荒木広報部長は、先日の記者会見で、賠償契約に応じないのは、被害者支援機構への債権譲渡に関する質問に対する回答がAlephに返ってきていないからである旨、発表しています。
 しかし、同機構の中村裕二弁護士によれば、中村弁護士が行ったAleph批判発言をAlephに対して徹底的に謝罪しない限りは、賠償契約に応じないと、Alephは述べ続けてきたのです。それは、当団体も昨年来、同機構の方々からお聞きしてきました。
 当団体としては、中村弁護士のAleph批判発言は不適切とは思いませんし、また、徹底した謝罪を求めたりするのは、加害者側のとるべき姿勢ではないと考えます。

(4)Alephが賠償契約締結しない場合の重大な問題点

 被害者支援機構によれば、 Aleph は賠償契約なしで一定の金銭をサリン事件等共助基金に振り込んではいるものの、同機構との間の新たな賠償契約締結がない限りは、事件被害者以外の一般債権者の債権放棄が法的に成立しないために、事件被害者への賠償が損われるとのことで、こうした事実をAleph に伝えても、誠意ある対応が見られないとのことです。
 また、破産債権者としての届出を行わなかった事件被害者(未届被害者)への賠償も行われないことになります。
 当団体としては、 Aleph が事件被害者への賠償を損なわないことを求めます。

(5)Alephが法的な賠償責任を無視し始めた疑い

 Alephは、「道義的な責任に基づく支払い」と主張していますが、Alephには、単に道義的な責任だけでなく、オウム真理教破産管財人との間で2000年に締結し2005年に改めた賠償契約に基づく法的な賠償責任があり、その債務はいまだに履行されていません。
 そこで、当団体としては、Alephが、あらためて法的な賠償責任を認め、債務の履行のために、新たな賠償契約を締結することを求めます。

(6)最近の報道(アレフは事実上、契約締結を拒否していることについて)

◆読売新聞 2010年3月18日6時35分配信記事

 オウム破産手続き終了1年、賠償継続進まず

 被害者救済の役割を果たしてきたオウム真理教の破産手続きが終了して約1年。被害者・遺族への賠償を続けさせようという弁護士らと、教団側の交渉が思うように進んでいない。

 教団側は、松本智津夫死刑囚(55)への姿勢を巡り分裂しており、特に松本死刑囚を「開祖」と位置づける主流派(反上祐派)の消極的な姿勢が目立っている。

 オウム真理教が破産宣告を受けたのは1996年。債務総額は約51億円で、うち被害者分は約38億円に上り、破産管財人が教団資産を売却して被害者への配当にあててきた。

 昨年3月には手続きが終了したため、管財人は、賠償が済んでいない被害者などの債権約21億円分を、弁護士らで作る任意団体「オウム真理教犯罪被害者支援機構」(理事長・宇都宮健児弁護士)に譲渡した。同機構を通じ、被害者への賠償を続けさせるためだ。

 教団の上祐史浩元代表(47)が設立した団体「ひかりの輪」(信者数約200人)は昨年7月、同機構と合意書を取り交わし、賠償金の支払い義務があることを確認。その後、同機構に100万円を振り込んだ。これに対し、主流派の団体「Aleph(アレフ)」(同約1300人)は今月16日、1999年に設立された被害者支援団体「サリン事件等共助基金」に約360万円を支払ったが、同機構への支払いはまだで、今後の賠償方法を巡る交渉も停滞している。荒木浩・広報部長(41)は同日、都内で開いた記者会見で、被害者側の債権の同機構への譲渡や、オウム真理教被害者救済法に基づく国からの損害賠償請求については、「法的効力があるか確認中」と留保する考えを示した。

 こうした主流派の姿勢について、同機構副理事長の中村裕二弁護士は「組織の再興を狙っているのではないか。世間の関心が薄れる中、被害者の救済が済んだような雰囲気になるのは問題だと思う」と指摘している。

 ◆毎日新聞 3月 17日19時19分配信記事

<地下鉄サリン事件>アレフ 賠償にあいまいな態度続ける

 20日で発生から15年を迎える地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件を巡り、教団の主流派で構成する宗教団体「アレフ」が被害者への賠償について、あいまいな姿勢を続けている。被害者側への支払いはしているものの、「道義的責任に基づく誠意ある対応」を強調し、不法行為の「賠償金」との表現は避けている。被害者側は「法的責任を認めず、賠償義務を免れようとするもの」と批判している。

 96年に破産したオウム真理教の被害者に対する債務総額は約38億円。教団は破産手続きが終結した09年3月までに約17億円支払い、オウム真理教犯罪被害者支援機構が約21億円の債権譲渡を受けた。

 アレフは破産手続き終結後、元破産管財人が運営する「サリン事件等共助基金」に16日までに約3000万円を入金したという。しかし、機構には「債権譲渡が行われたかどうか確認できていない」として証明文書の開示を求めており、残る賠償金の支払い意思は示していない。

 機構副理事長の中村裕二弁護士は「債権譲渡の通知は届いているはずで、何を確認する必要があるのか分からない。言いがかりに過ぎない」と話す。

 これと別にアレフは被害者支援をしているNPO法人「リカバリー・サポート・センター」に02~09年、計1300万円を寄付している。

 一方、上祐史浩元代表の分派「ひかりの輪」は09年7月、機構と残りの賠償金を可能な限り支払うことで合意し、235万円を払った。【伊藤一郎】