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公安調査庁による「ひかりの輪」への観察処分更新請求について

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は多くの皆様方に、ひとかたならぬご温情を賜り、誠にありがとうございました。
 本年も、一同、気を引き締めていっそう精進してまいりたいと存じますので、多くの皆様方のご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、現在、当団体は、観察処分更新請求の審議の真っ最中にあります。
 昨年11月28日に、公安調査庁は、「ひかりの輪」に対して行われている観察処分をさらに3年間更新するよう公安審査委員会に請求しました。それに対して、当団体では反論の意見書と証拠多数を12月26日までに公安審査委員会に提出しましたので、これから公安審査委員会が本格的に審議していくことになります。
 そして、本年1月10日には、公安審査委員会の委員全員の前で、上祐をはじめとする「ひかりの輪」の役員が、30分間にわたって口頭で意見陳述をする機会が与えられます。
 それをもって事実上、「ひかりの輪」側が意見を述べる機会は終結し、1月20日頃には、公安審査委員会が最終的な結論を発表する見込みです。
 年頭に際しまして、皆様に、この件について、以下にご報告いたします。


●第1,公安調査庁の主張


 公安調査庁は、「更新請求書」(http://www.moj.go.jp/psia/kouan_press_111128.html)に記載した理由に基づき、「ひかりの輪」への観察処分更新が必要であると主張していますが、その概要をご説明します。
 そもそも団体に観察処分を適用するためには、大別して次の3つの要件が必要です。これは団体規制法(http://www.moj.go.jp/psia/kouan_horei_ho03.html)第5条1項の定めによります。

 《要件1》その団体の構成員が、団体の活動として無差別大量殺人行為(サリン事件)を行ったことがあること。

 《要件2》無差別大量殺人行為の首謀者(麻原)の影響力を受けている等、法5条1項にある5つの要件のいずれかを満たしていること。

 《要件3》活動状況を継続して明らかにする必要性があること(団体に閉鎖性や欺瞞性があること)。

 この3つの要件に照らして、以下に公安調査庁の主張を順次ご説明します。


1,「ひかりの輪はオウム真理教の内部組織である」という主張(
要件1)

 上記の「要件1」を満たすために、公安調査庁は、「ひかりの輪はオウム真理教の内部組織である」と主張しています。
 なぜならば、そう主張しなければ、「ひかりの輪」の構成員が「ひかりの輪」の活動として無差別大量殺人行為など行ったことはないので、「要件1」を満たさず、「ひかりの輪」に観察処分が適用できないためです。
 あくまでも、過去に無差別大量殺人行為(サリン事件)を起こした「オウム真理教」の一部が「ひかりの輪」であるという構図にしたいのです。
 具体的には、以下のように主張しています。

◎「ひかりの輪」は,従来の活動形態を変更してでも麻原の意思を実現することこそが麻原に対する真の帰依であるとの信念に基づき,真実は,麻原に絶対的に帰依し,その教義を広め,麻原の意思を実現することを目的としながら,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う,いわゆる「麻原隠し」の活動をしている。

◎「ひかりの輪」は,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う活動を殊更に展開しているところ,今なお,真実は,麻原に絶対的に帰依し,その教義を広め,麻原の意思を実現することを目的としており,「ひかりの輪」で用いられている教義,実践されている修行体系等をみても,麻原の説く教義等の根本的な部分を変更・除去することなく維持している状況にある。

◎「ひかりの輪」とAleph(アレフ)は、「特定の共同目的」たる「オウム真理教の教義を広め,これを実現すること」を維持していると認められるところ,いずれの構成員も麻原に対して帰依し,麻原の意思の実現のためには麻原の指示に従う者であり,主宰者たる麻原を頂点とした構造において,主宰者たる麻原を介し,麻原の説く教義を広め,これを実現するための多数人の継続的結合体として存在しており,本団体は,依然として団体としての同一性を保持している。

 ――以上の通り、「ひかりの輪」は麻原の教えを広めるために「麻原隠し」をしているというのが公安調査庁の主張の最大のポイントです。
 そして、「オウム真理教の教義を広め,これを実現すること」という「特定の共同目的」を持っていて、「主宰者たる麻原を頂点とした構造において,主宰者たる麻原を介し」て、Aleph(アレフ)と一体であって、「オウム真理教」との同一性があると主張しています。
 こうして、「ひかりの輪」は、「オウム真理教」の内部組織であるというのが、公安調査庁の主張の大前提となっています。


2,「法5条1項にある5つの要件を満たしている」という主張要件2)

 上記の「要件2」を満たすために、公安調査庁は、この「オウム真理教=Aleph+ひかりの輪」が団体規制法第5条1項各号に定める5つの要件を次のように満たしていると主張しています。

(1)麻原を絶対的帰依の対象とし,麻原を教祖・創始者とする「オウム真理教」の教義を広め,これを実現するため,麻原の意思に従い,麻原の言動等からその意思を推し量り,活動方針を決定している。よって、麻原が「影響力」を有している。

(2)麻原や、サリン事件実行犯らが、団体の構成員である。

(3)サリン事件当時オウム真理教の役員であった上祐が、今も「ひかりの輪」役員を務めている。

(4)殺人を勧める綱領を持っている。すなわち、麻原の教義に基づく理想郷(シャンバラ)を我が国に建設する「日本シャンバラ化計画」を推進するとともに,衆生救済に至る最速の道であり,最終的には,グルである麻原に対し,自分の一切のものを捨てて,自分自身を投げ出し,麻原との合一を目指すとするタントラ・ヴァジラヤーナの実践を重視してきた。この麻原の説くタントラ・ヴァジラヤーナの実践には,その具体的規範として,結果のためには手段を選ばず,本団体の活動に反対する勢力や悪業を積む者については,これを殺害することも正当化されるなどとする殺人を勧める内容が含まれている。......上祐は悪業を積む者の殺害を勧めるタントラ・ヴァジラヤーナの実践の必要性等を説き,これが幹部構成員にも浸透している。

(5)その他、麻原が事件を反省していない、重大事件に関与して有罪判決を受けた者が構成員にいる、危険な修行をしている、過去の事件で重要な役割を果たした上祐が活動している......など、諸々の理由。


3,「"閉鎖的"で"欺瞞的"なので観察処分の必要性がある」
という主張(要件3)

 上記の「要件3」を満たすために、公安調査庁は、「オウム真理教=Aleph+ひかりの輪」は、閉鎖的な居住環境を作り立入検査にも非協力的であって「閉鎖的」であること、特に「ひかりの輪」については「麻原隠し」をしていること自体が「欺瞞的」であるとして継続して活動状況を明らかにする「必要性」があると主張しています。


4,公安調査庁の主張のまとめ

 ――以上の公安調査庁の主張を再度整理しますと、以下の通りとなります。

①「ひかりの輪」は「麻原隠し」をしており、構成員の皆が麻原・オウムの教えを広めるという「共同目的」を持っている。
 よって、「ひかりの輪」とAleph(アレフ)は、麻原を介して一つの組織であり、いずれも「オウム真理教」の内部組織である。=「要件1」を満たす。

②「オウム真理教」は、法5条1項各号要件(麻原の影響力がある等、上記(1)~(5)の要件)を満たしている。=「要件2」を満たす。

③「オウム真理教」は、「閉鎖的」で「欺瞞的」なので、継続して活動状況を明らかにする必要性がある。=「要件3」を満たす。

 以上のとおり、「ひかりの輪」は「オウム真理教」の内部組織だというのが公安調査庁の主張の大前提です。
 ですから、もう一つの内部組織とされているAlephの行為が原因になって、「ひかりの輪」に不利益な処分がかかる構造になっています
 たとえば、上記(2)に記した、「サリン事件実行犯らが団体構成員である」というのは、実際はAlephの構成員にすぎず、「ひかりの輪」とは何の関係もないのですが、Alephと「ひかりの輪」は一体という大前提に立てば、彼らは「ひかりの輪」の構成員ともいえるということになって、「ひかりの輪」が観察処分要件の一つを満たすということになります。
 また、Alephが立入検査の際に非協力的な姿勢を示せば、それが「ひかりの輪」とは関係ないことだとしても両方ともオウム真理教内部の一つの組織なのだから、「ひかりの輪」も非協力的だという認定を受けます。
 こうして、本来なら「ひかりの輪」の責任に帰さないAlephの行為までもが、「ひかりの輪」への不利益処分の原因とされます
 そういう意味で極めて不合理なのですが、その根拠となっているのが、ひかりの輪は麻原隠しをしているから、実質的にオウム真理教なのだ」という公安調査庁の見方なのです。

(なお、公安調査庁は、これらの主張を裏付けるためとして、多数の証拠を提出してきていますが、そのごく一部の写しだけが団体側に交付されています。それ以外の大部分は、閲覧しにいかなければ見せてもらえません。


●第2,「ひかりの輪」の反論

 これに対する「ひかりの輪」の反論の詳細は、 12月26日までに提出した「意見書(1)」から「意見書(3)」の3つの意見書と多数の証拠に記してありますが、概要を記すと以下の通りです。


1,「ひかりの輪」は「オウム真理教」の内部組織ではないこと 「要件1」を満たさない)


(1)「ひかりの輪」は「麻原隠し」をしていないこと


 公安調査庁は、「ひかりの輪」が「麻原隠し」をしているという根拠として、いろいろな事実を挙げています。
 たとえば、麻原がサリン事件直後に別団体を作って生き残らせろという趣旨の指示をしていたので、「ひかりの輪」は麻原の意思に沿って設立された団体に違いないということを公安調査庁は言っています。

 確かにそのような指示があったことは事実ですが、「ひかりの輪」はその指示とは全く関係ありません。麻原の指示した別団体とは、①高弟たちが話し合った上で②名前だけを変えた実質的な麻原信仰の団体にする、というものでした。
 しかし、「ひかりの輪」については、麻原個人崇拝やオウム事件に疑問を感じた者たちが、Aleph内部での熾烈な内部抗争の上、脱会して結成したものであり、しかも麻原への批判を行って、二度と麻原のような人物を信仰する団体が登場しないよう新しい次元の教え(個人崇拝の否定、善人と悪人を区別して悪人への攻撃を肯定する二元論を超克する一元論の教え)を展開しています。
 ですから、「ひかりの輪」は、上記①②の両方に当てはまりません。
 これは公安調査庁のこじつけです。

 また、公安調査庁は、「ひかりの輪」は麻原の教義を実践しているとして、その類似点をいくつか挙げていますが、それらはいずれも仏教やヨーガの一般的な修行であって、麻原・オウムのオリジナルではありません。むしろ逆に、麻原が説いていなかった教えや、麻原が禁止したり蔑視したりしていた教えまで説いて、麻原を超克する教義を展開していることを、公安調査庁は完全に無視しています。

 さらに、公安調査庁は、「ひかりの輪」の構成員の中に、麻原に帰依したり、オウム事件を肯定的に評価する発言をしたりしている者たちがいると主張して、いくつかの例を挙げていますが、その証拠として提出されてきたものは、いずれも公安調査官の勝手な作文であったり、構成員が話した内容を180度ねじ曲げて記したものばかりでした

 前記の通り、公安調査庁は、「ひかりの輪」には「オウム真理教の教義を広め,これを実現すること」という「共同目的」があると主張しています。今回の更新請求時(2011年11月)において、そのような「共同目的」があるというためには、「ひかりの輪」の構成員の大部分がそのような認識を2011年11月時点で共有していなければならないはずですが、公安調査庁はそのことを全く立証していません。
 逆に、「ひかりの輪」側は、多数の構成員が、オウム・麻原に疑問を感じ、否定し、それを超克する教えを探究していることを示す証拠(多数の総括文書や、総括の公表の事実外部の一般人や宗教学者の肯定的見解などを提出しており、公安調査庁はそれについての反論を一切していません
 公安調査庁の上記主張を裏付ける証拠は皆無といってもよいほどのものでした。


(2)「ひかりの輪」は「麻原を介して」Alephと一体ではないこと

 以上のように、「ひかりの輪」は「麻原隠し」などしていないのですから、Alephと一体となって「オウム真理教」を構成しているという公安調査庁の主張の大前提は成り立たないのです。
 しかも、公安調査庁は、「ひかりの輪」は「麻原を介して」Alephと一体である旨を主張していますが、「ひかりの輪」では麻原と全くコンタクトが取れませんし、取るつもりもありません。Alephの方は、麻原の家族が麻原に面会することによって麻原とコンタクトを取ることができますが、「ひかりの輪」は麻原の家族と激しく対立して脱会していますので、麻原の家族を介しても麻原とコンタクトをとることはできませんし、その意志もありません。
 ですから、「麻原を介して」Alephと一体という公安調査庁の主張は事実ではありません

 よって、いかなる意味でも、「ひかりの輪」がAlephと一体となって「オウム真理教」の内部組織を構成しているという公安調査庁の主張(要件1)は成立しないのです。


2,法5条1項にある5つの要件を満たしていないこと(「要件2」を満たさない)

 以上の前提に立てば、前記(1)~(5)に記した法5条1項にある5つの要件(要件2)を「ひかりの輪」が満たすことはありません。それは以下の通りです。

(1) 「ひかりの輪」は麻原の「影響力」のもとにありません。 
 むしろそれを超克する教えの実践をしていることは前記の通りです

 そもそもここでいう「影響力」とは、
無差別大量殺人行為を行わせるだけの「影響力」と解すべきですから(2001年東京地裁判決に基づく解釈)、「ひかりの輪」がこれに該当しないことは明らかです。

(2) 当然に、麻原やサリン事件実行犯が「ひかりの輪」
の構成員ということはありません。

(3) 「ひかりの輪」役員の上祐は、
確かにサリン事件当時にオウム真理教の役員でしたが、当時ロシアに滞在していてサリン事件のことは全く関知していなかったので、法の趣旨からして、この要件には該当しません。

(4) 「ひかりの輪」ではタントラ・
ヴァジラヤーナの実践など説いていません。
 公安調査庁が提出してきたこの点についての証拠は、
捏造や歪曲ばかりでした。
 逆に、「ひかりの輪」では、
殺人を肯定したオウムの教義を徹底的に総括・反省した教えを説いています。

(5) 麻原が反省していないというのは「ひかりの輪」
には無関係ですし、重大事件で有罪判決を受けた者も「ひかりの輪」には一人もいません。
 危険な修行もしていませんし、
上祐も反省に基づく活動をしています。


3,閉鎖的・欺瞞的ではなく、更新の必要性はないこと(「要件3」を満たさない)

 そして、「ひかりの輪」では開放的な団体づくりを目指しており、誰もがインターネットや直接訪問を通じて、「ひかりの輪」の主な行事に参加できます。(「一般の方のために」参照)
 また、この度は、外部監査委員や監査協力者の皆様のご協力を得て、ますます開放性を高めさせていただいています。

 立入検査に非協力的という公安調査庁の主張も、ほとんどがAlephのケースについてであり、「ひかりの輪」について指摘したケースはごくわずかであるばかりか、そもそも法を超えた任意の協力を求めてきたので拒否したというケースですから、非協力的というのは当たらないものです。
 ですから、「ひかりの輪」が「閉鎖的」という主張は失当です。

 また、「麻原隠し」などしていないのですから、「欺瞞的」という主張も当たりません。
 よって、「閉鎖的」「欺瞞的」ではなく、観察処分更新の「
必要性」(要件3)はありません


4,まとめ

 以上のことから、「ひかりの輪」は、冒頭に記した観察処分の3つの要件、つまり、

 《要件1》その団体の構成員が、団体の活動として無差別大量殺人行為(サリン事件)を行ったことがあること。

 《要件2》無差別大量殺人行為の首謀者(麻原)の影響力を受けている等、法5条1項にある5つの要件のいずれかを満たしていること。

 《要件3》活動状況を継続して明らかにする必要性があること(団体に閉鎖性や欺瞞性があること)。

のいずれも満たしていないということができます。


●第3,外部監査の必要性について

 公安調査庁は、地域住民が「ひかりの輪」に対する反対運動をしていることをもって、観察処分の必要性があるとも主張しています。しかし、公安調査庁の証拠を見ると、地域住民が反対運動をする理由は、公安調査庁が流布している誤った情報を信じているからであることがよくわかります。
 公安調査庁は、「ひかりの輪」について、上記のような全く正反対の間違った情報を、インターネットや、マスコミ報道、住民説明会を通じて広く流布しており、それに起因して、地域住民が不安を高じさせていることがわかります。
 「住民不安を解消するため」と称する公安調査庁が、全く逆のことをしているのが現実です。

 公安調査庁がこのようなことを行う背景には、公安調査庁がリストラ対象で縮減傾向にあったところ、オウム事件によって復活したことから、オウム規制に強い利害関係を持っているという事実があると思われます。つまり、利害関係があるから、「ひかりの輪」について公正な調査や発表を行うことができないと思われるのです
 だからこそ、利害関係のない一般の皆様による外部監査が必要であるという主張を「ひかりの輪」は行いました。

 なお、このたび外部監査人に就任された河野義行氏は、「(ひかりの輪が)実際どうなのか自分で中に入り、自分の目で確認したい。不安を持つ周辺住民との橋渡し役になって動いていければ」と話しておられます。

 以上について、3つの意見書と多数の証拠をもって、公安調査庁に詳細に反論いたしました。

 以上、観察処分更新手続の状況について、ご報告させていただきました。

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