出会いと別れの1日――オフ会と日テレ・北記者の死
2010年08月03日
先日(8月1日)は、都内で第2回目のオフ会(懇親会)に参加。一般の方が30名近くも集まってくださった。フリーライター、作家志望の 方、出版関係者、ジャーナリスト、芸能関係者その他様々な職業の方々との貴重な「出会い」があり、お知り合いになれたことをうれしく思った1日だった。しかし、その一方で「別れ」もあった。
オフ会から帰ってきてきてネットでニュースを見ると、埼玉県内で遭難した登山客を救助に行った防災ヘリが墜落した現場に取材に行った日本テレビの記者2名が、これまた遭難して死亡したとのこと(つまり3次災害)。
日テレ記者ら2人死亡=ヘリ墜落現場取材、山中で遭難-ガイドなしで再入山・埼玉
【日テレ取材班遭難】記者とカメラマンの死亡を確認
【日テレ記者遭難】2人の死因は水死 何らかの原因で滝つぼに転落か
死亡した北優路さん(30歳)は、知り合いの記者だった。
知り合ったのは数年前。彼が日テレに就職して駆け出しの時期だった。何度も一緒に二人で食事をして、いろいろな話を交わした。情報を伝えること に興味があるとか、休みには実家に帰って親に会ってくるとか、いろいろ個人的なことも話してくれた。「広末さんのドキュメンタリーでも作りたい」とか話し ていたこともあった。意欲的で礼儀正しい記者だった。
山中の河原に、青いビニールシートをかけられた2つの固まりがあるのが、上空から映し出されていた。あの2つの固まりのうちの一つが北さんなんだなと思うと、「北さん、死ぬとき苦しくなかったかな、安らかに行ってほしいな」と瞑目せざるをえなかった。
もちろん、「別れ」の言葉を交わすこともなかったが、昨日は北さんとの「別れ」の1日ともなった。「出会い」があって「別れ」がある。
でも、ふと気づいたことがある。山中でなくなった記者は二人。北さんのことは瞑目したが、もう一人の記者のことにはあまり気にかけていない自分がいる。
もちろん、もう一人の記者とは面識がないから、つまり「出会い」がなかったから、「別れ」も感じず、意識があまり向かなかったわけだ。私はこうして、出会いも別れもなく、面識もない無数の人びとの苦しみや死に対しては、ほとんど無関心で過ごしてきたわけだ。
あらためて、北さんだけではなく、もう一人の記者、そしてヘリで墜落死した人びと、遭難死した登山客らの冥福をお祈りする。
(広末)

